限られた予算をどう使う!レンタル?購入?ブランド品?
前回の「初めてのムービングライト」では、どのようにして機材の選定をすれば良いかを解説しています。ぜひご一読ください。
今回の特集記事は、今まで裏方屋ドットコムをご利用くださったお客様へのご提案などを元にした
ムービングライト購入シミュレーション
です。
独立して、初めてムービングライトを買うなら、どのタイミングがベスト?!
予算も考えつつ、どのタイミングで、どのようにムービングライトを選んで購入したら良いか、誰もが気になる部分......。
裏方屋なりの考えを書いてみましたので、ちょっと長いですが是非ご一読ください。
今回の主役をご紹介します。
裏方 夢男
7年間勤めた会社を退職。
大好きな照明現場で、自分が本当に好きな人たちと一緒に満足できる仕事をしたい!と、晴れてフリーの道に。
昔のよしみでみんなが色々と声をかけてくれて、忙しい毎日を送っている。
ある日、無料オンライン税務セミナーの開催があり参加してみた。
フリーの個人事業主として仕事を続けるより法人化した方がメリットが多いことに気付き、早速法人化してみた。
将来の夢は大型案件を受けられる会社になること。
沢山のスタッフと豊富な機材に囲まれて、気心の知れた仲間と一緒に仕事をしていきたい。
でも、自分を育ててくれた小劇場や中小規模のクライアントにも親身になる!!
そんな会社になりたい。
※機材をレンタルする場合のシミュレーションの日数には仕込み日等を含んでおりません。それぞれの現場(公演)によって日数が異なるためです。
法人化初年度 1年目:年商500万
裏方 夢男
フリーから法人化し、照明会社を創設した初年度。
フリー時代の昨年の年商は500万円。日当ベースで現場を駆け巡った。
フリーになったら「もっと自分の時間ができる」と思っていたが、いや、なになに、会社員時代よりも休みがない。まだ20代後半だが、40代の先輩たちは「疲れが取れなくてなあ。」とよく愚痴っているのを耳にする。自分の体1つで現場仕事を毎日のように……もし怪我でもしたり、体調でも崩した日には……という不安が絶えない。
新作ミュージカルの依頼
あるとき、長年プランをしている劇団から「新作ミュージカルの照明プランをしないか?」と誘いがあった。この劇団とはもう7年来の付き合いで、前の会社での最初の仕事だった。せっかくのお誘いなので「ぜひとも!」と二つ返事で引き受けた。
現場は、200人キャパの東京にある劇場だ。
法人化して初めてのプラン現場になる。ここは一発、ちょっと派手目に明かりを作りたい。
基本、明かりは劇場にあるエリスポやフレネルを使う。本当は、3台のムービングスポットを使いたいのだが、この劇場にはムービングがない。
公演日数 | 4日 |
---|---|
予算 | 20万円 |
会社創設時に税理士からの紹介で政策金融公庫から受けた150万円の融資を元手にすることが出来るぞ......
初めての投資として機材を買うべきか?
いや、レンタルにするべきか……?
そういえば、いつも消耗品を買っている裏方屋にもムービングライトがあったな…
よし、裏方屋に相談してみよう!
裏方屋のアンサー
想定したプランは3つです。
- レンタルでしのぐ
- Aランク機材(有名ブランド)のムービングライトを購入
- Bランク機材のムービングライトを購入
プラン1. レンタルする場合
合計4日間レンタルする場合、合計18万円
Aランク機材(有名ブランド) | |
LED Spot 300w | 3台 x 1.5万円 x 4日= 18万円 |
プラン2. 融資を受けて有名ブランドメーカー品を購入する場合
レンタルする場合と同じ有名ブランドメーカーの機材を購入する場合、150万円
Aランク機材(有名ブランド) | |
LED Spot 300w | 3台 x 50万円 = 150万円 |
プラン3. 融資を受けてBランク機材メーカー品を購入する場合
Bランク機材メーカー品を機材を購入する場合、75万円
Bランク機材 | |
LED Spot 300w | 3台 x 25万円 x = 75万円 |
金額面だけを比較すると、プラン3が一番良さそうに思えます。
150万の融資の約半分で収まり、手元に機材も残ります。
ですが、
裏方屋の考える正解は、実は上記のプラン1~3の中にはありません。
理由
会社創設時には、自分の体ひとつで現場をこなしながら「信頼を得て次に繋げる」
それが最初の仕事です。
信頼を得て次に繋げる、というのは「ムービングライトを使って目立つ明かりを作ってアピールし、次の仕事をもらう」ということではありません。
「自分の個性を出せる明かり(色味、タイミング、照度、角度など)を丁寧に作りつつ、それをアピールして公演を成功させる」ことです。
150万円の融資金で、75万円のムービングライトを3台購入することは予算内に収まるからベストな選択にも思えます。
しかし、ムービングライトを所有するということは......
- 卓、ケーブル、ハンガー等の周辺器具が必要
- 機材を保管しておく場所の確保が必要(場合によってはレンタル倉庫などの倉庫費用)
- 運搬の車が必要
- 故障や不具合時のメンテナンスに関わる費用が必要
ということです。
機材を持つというのは、灯具機材そのものの購入費用がかかるだけではなく、「持つ」こと自体に付随するコストを負担することを意味するのです。
プラン1のレンタルなら、融資に手をつけなくていい上に、今回の予算である約20万円の中で機材費がまかなえます。
ですが、起業初年度では、ムービングライトのレンタルのための約20万円を「自分の明かりを作るための他のこと」に使いましょう。例えば、カラーフィルターやゴボです。
ムービングライトは、早いメーカーだと1年に1回、新機種を発表しています。
融資の150万円を機材に投資をしたい場合は、変化の目まぐるしいものに投資するのではなく、自分の明かりを作り、コントロールできる、卓のような主力機材を持つことを検討してみてください。例えば、onPCやMobile系小型版の卓の購入をお勧めします。
法人化5年目:年商3,000万
裏方 夢男
照明会社を創設して5年目。昨年の年商は3,000万円。
クライアントも定着しつつあり、会社が軌道に乗っていると強く感じている。社員数は自分を含めて3名。以前勤めていた会社に居た奴らだ。よく喧嘩もするが一緒にいて楽しい。本当に信頼できる仲間と一緒に仕事ができて本当に嬉しい。さらにフリー時代の仲間たちとも一緒に多くの現場をこなしていている。多忙な毎日。
近所にガレージ倉庫を借りて、気がついたらある程度のLEDパー、ケーブルやアクセサリ、小型から中型の照明卓が揃ってきた。
全国をまわる歌物ツアーの依頼
あるとき、新しいクライアントから全国のホール10ヶ所をまわる歌物ツアーの依頼が舞い込んできた。
一般照明はツアー先のホールの在り物を使えばOK。
ただ、一般照明だけでなくムービングライトを使った演出をしてみたいと思う現場仕事だ。6台のLEDスポットと12台のLEDウォッシュがあればいいな。
公演数 | 10ヶ所(10公演) |
---|---|
予算 | 1公演50万円×10=500万円 |
そろそろ自分たちのムービングライトを購入する時が来たんじゃないだろうか。
この先、違う公演でも使う事を考えたりすると、有名メーカーの機材にするべきかな......。でもそうすると数は揃えられないな......。
他の誰も持ってないような個性的な機材で差をつけるって手もあるかな......。
考えてるとどんどんベストな選択がわからなくなってきた!
いつも親身になって相談に乗ってくれる裏方屋にどんな機材がベストなのか相談してみよう!
裏方屋のアンサー
想定したプランは3つです。
- レンタルでしのぐ
- Aランク機材(有名ブランド)のムービングライトを購入
- Bランク機材のムービングライトを購入
プラン1. レンタルの場合
合計10公演のレンタルする場合、合計360万円
Aランク機材(有名ブランド) | |
LED Spot 500w | 6台 x 3万円 x 10日 = 180万円 |
LED Wash 200w | 12台 x 1.5万円 x 10日= 180万円 |
プラン2. 有名ブランドメーカー品を購入する場合
レンタルする場合と同じ有名ブランドメーカーの機材を購入する場合、1,200万円
Aランク機材(有名ブランド) | |
LED Spot 500w | 6台 x 100万円 = 600万円 |
LED Wash 200w | 12台 x 50万円 = 600万円 |
プラン3. Bランクメーカー品を購入する場合
Bランク機材メーカーの機材を購入する場合、600万円
Bランク機材 | |
LED Spot 500w | 6台 x 50万円 = 300万円 |
LED Wash 200w | 12台 x 25万円 = 300万円 |
この場合、裏方屋が考える正解はプラン3です。
理由
同じ機能でも、Bランク機材ならAランク機材の半額で購入できるので、うまくいけば1本のツアーで、購入金額の大半を回収できそうです。
購入するとなるとBランク機材でもレンタル費用より出費は高くはなりますが、会社経営も5年目に突入し、クライアントからの仕事も安定しつつあるところを考慮すれば、この機会に自社所有機材を購入し、他の現場にも使うことで、しっかりと元をとって、会社の売り上げに繋げるという選択が理想的です。
ただし、重要なポイントとして「日進月歩のムービングライト業界では1~2年で新機能を搭載した新機種が出てくる」いう点があります。
会社として成長過程にあるこの時期には「この有名ブランドメーカー品がほしい!」と予算以上のものを無理をして購入しても、活かしきれないうちに次世代機種が出てくる可能性があります。初めてのムービングライトへの投資では無理をせず、予算に合った、汎用性の高いものを購入して使ってみることをオススメします。
絶対に必要な機能を持つ高額機材をどうしても使わないといけない場面では、レンタル会社から借りる、というのが賢い選択です。
気を付けるべき事
- 一度の現場で「購入した機材の経費」を回収できない場合の資金繰りをどうするか
-
日々のオペレーションコストで経営が圧迫されないように、長期ローン、リース、分割払いのプランを検討しましょう。
現場仕事が忙しいのは痛いほどよくわかります。しかし、経営者として日頃から顧問税理士や地元の商工会議所に相談したり、政策金融公庫等の比較的融資を受けやすい機関と連絡を取り合ったりすることはとても大切なことです。
急がば回れ。支払いプランを立てるようにしましょう。
- 購入する機材はこの業界で、すでによく使われている機材かどうか
- 予期せぬ故障や追加で必要になった時、レンタルできる会社があるのかどうか?はとても大事な事です。
協力会社を誘って共同購入するなどして、必要台数よりも多く揃えておきましょう。
いざという時のための予備機を確保しておくことを強くオススメします。
- 今後も長期に渡り安定してパーツが供給されるか
- 将来のことを考え、本体を購入する際にある程度のスペアパーツ(ベルト、ファン、パワーサプライ等劣化して交換が必要なもの)も購入しておきましょう。
- 保管先はあるか
- 協力会社を誘って倉庫を共同で借りる等、あらかじめ余裕のあるスペースを確保しておきましょう。
大きな照明会社さんには機材スペースをレンタルされているところもあります。「事前に」「具体的に」検討しておくことが重要です。
法人化10年目:年商6,000万
裏方 夢男
照明会社を創設して10年目。年商は6,000万円にたどり着いた。
一人親方から社員数6名になった。日頃から助けてくれてたフリーの仲間が従業員として入社してくれた。人は宝であると常に思っている。
仕事面でも充実しており、色々な現場やプランをお願いされるようになってきた。当初は1日現場のイベント仕事が多かったが、近年は社員が演劇やミュージカルのプラン仕事をいただいてくるようになり、イベントだけでなく演出現場が多くなってきた。
有名演出家のミュージカル公演
有名演出家のミュージカル公演の仕事依頼があった。
公演数は1ヶ月。人気の脚本なので、この公演がうまくいけばこの先5年は同規模のリピート公演が見込める。
仕事内容はプランの作成、オペレート、機材と仕込み・バラシの人材提供。照明に関するものは全て賄ってくれとの依頼仕事。
公演期間 | 1か月 |
---|---|
予算 | こみこみ500万円 |
社員たちは、これを機にうちもAランクの機材を持てるのではと期待しているようだ。
社員のモチベーションも上げるためにも、ここは質の良い有名ブランドのメーカー機材を導入していこうか......。
予算はプロデューサーから500万と言われたが、長年培った交渉力で600万にUPしてもらった。黙っていても誰も出してくれない。
うーん、スポット8台とウォッシュ12台でどうだろう。安い買い物ではないから、なかなか絞り込めないな......。
色々なメーカーを扱っている裏方屋に相談してみよう!
公演期間 | 1か月 |
---|---|
予算 | こみこみ 500万円 600万円 |
裏方屋のアンサー
今回は、もう購入の意志が固いようなので想定したプランは2つです。
- Aランク機材(有名ブランド)のムービングライトを購入
- Bランク機材のムービングライトを購入
プラン1. 有名ブランドメーカー品で揃える
信頼のおける有名ブランド品で揃える。1,400万円
Aランク機材(有名ブランド) | |
LED Spot 500w | 8台 x 100万円 = 800万円 |
LED Wash 200w | 12台 x 50万円 = 600万円 |
プラン2. Bランク機材を追加で購入する
起業5年目のときに購入したムービングライトを追加で揃える。700万円
Bランク機材 | |
LED Spot 500w | 8台 x 50万円 = 400万円 |
LED Wash 200w | 12台 x 25万円 = 300万円 |
照明会社としてここが一番の岐路だと思います。
いずれの場合も、今回の予算だけで費用をまかなう事はできません。
裏方屋としての正解は、ありません。
理由
プラン1. 有名ブランドメーカー品で揃える場合
- メリット
- 機材としての安定性が高い=将来的なランニングコストを安く出来る期待が持てる
- 修理やパーツ交換等のアフターケアに信頼がおけるので、長期にわたって安心して使用できる
- 社員がブランド品を希望しているため、社員のモチベーションがあがる
- デメリット
- 費用がかなり高額になる
プラン1のAランク機材を導入される場合は、キャッシュフローの安定が確立されている場合のみおすすめします。
高額機材は、ローン/リース/一括購入いずれの支払方法の場合も動く金額が大きくなります。
良い機材は長期で使えるものです。支払いも長期でプランしましょう。最短でも7年リース、もしくは10年ローンのような、出来るだけ分割して長期に渡って支払っていける方法をおすすめします。
そのためには、金融機関との間に信頼関係を築いておくことが必須です。
また、信頼性が高く、長期にわたってパーツ提供をし続けてくれるメーカーを選択するのも重要条件となります。
プラン2:Bランク機材を追加で購入する場合
- メリット
- 現役で使っている購入済のBランク機材に追加して一緒に使用できる=これまで請けてきたような現場をさらに請けることができる
- 費用を抑えることができる
- デメリット
- 有名ブランド品に比べると耐用年数に不安があるため、予備機を多めに持つ必要がある
会社の規模が大きくなり、現場の数が増えるにつれて「どういう会社になりたいか」が重要になってきます。
■高額のAランク機材を10年単位で使い、会社としての信頼を増して規模の大きい現場をめざしていくのか
■手の届きやすいBランク機材を出来るだけ長期で使い倒し、常に同機種や新しい機材を色々揃え、規模はそれほど大きくないが面白い現場、地元に密着した現場をドンドンまわしていくのか
自社が目指しているものはなんなのか、自社に向いているものはなんなのか、この10年で見えてきたのではないでしょうか。
「今」ではなく「将来」を見ましょう。
もちろんビジョンを伝えていただければ、具体的な機材の選定は裏方屋もお手伝いいたします。
法人化15年目:年商1億
裏方 夢男
照明会社を創設して15年目の照明会社。昨年の年商は1億円。
数多くのクライアントに巡り会う機会があり、多くの仕事を安定していただいている。社員も出たり入ったりすることはあるが、中堅も増えてきた。現場が大好きだった私も気づけば書類に追われるオフィス業務が本業となってしまった。
会社業務は照明の現場仕事がメインだが、設備照明案件のアドバイスを求められるようになってきた。
モールの設備照明
あるとき、懇意にしている建築事務所から「とあるモールの設備照明にムービングライトの演出を入れたいという案件があるので、予算建てに機材選定の協力してほしい」との相談を受けた。
「モールのオーナーからは、予算も限られているので出来るだけ安価なものがいいと言われている」とのこと。
一般商業ショッピングモール施設の外壁をロゴの入ったゴボ、エフェクトやウオッシュで照らして、施設のブランディングアップという案件だ。
設備のためのムービングライト……ここまで大きな規模の話は初めてだが、会社が大きくステップアップできるチャンスだからぜひ挑戦したい。
スポット20台くらいか?
裏方屋で取り扱ってるかなあ?とりあえず相談してみよう!
裏方屋のアンサー
今回も想定したプランは2つです。
- Aランク機材(有名ブランド)のムービングライトを購入
- Bランク機材のムービングライトを購入
プラン1. 有名ブランドメーカー品で揃える
信頼のおける有名ブランド品で揃える。2,400万円
Aランク機材(有名ブランド) | |
IP66 スポット | 20台 x 120万円 = 2,400万円 |
プラン2. Bランク機材で揃える
価格を抑えてBランク機材で揃える。1,200万円
Bランク機材 | |
IP65 スポット | 20台 x 60万円 = 1,200万円 |
裏方屋が考える正解はプラン1です。
理由
機材購入金額面だけを比較すると、プラン2が正しいように思えます。クライアントの”費用を抑えたい”という要望にも応えています。
しかし、ここで重要なことは購入金額でなく、機材の信頼性です。
建築照明はイベント業界の照明と同様の要素を必要としていますが、最も重要な要素は
「どれだけ故障が少ないか?」
「長く使える機材か」
です。
モールの「顔」である外壁のライトが、故障して明かりが出ない、ぽっかり穴が空いている、そんな様を想像してみてください。
機材選定を依頼してくれた建築事務所との信頼関係も一瞬で吹き飛びます。
ある意味刹那的と言えるエンタメ現場であれば臨機応変に対処して乗り切ってから対策を考える事が可能ですが、半恒久的である建築照明ではそれができません。
また、建築、特に屋外で使われる機材は、ほこり、雨、雪、直射日光などの自然現象に晒された状態で一年中吊りっぱなしであるということをよく理解する必要があります。
エンタメ現場のように、入出庫の際に機材の動作チェックやメンテナンスができる環境ではありません。使われる環境も、劇場のように空調などを使ったコントロール可能な環境ではありません。まさに別世界なのです。
弊社の過去の修理データを集計してみると、施工後2~3年での故障率は、信用のおけるメーカーで5%。安価なものは20%程です。
光量やエフェクトの機能がスペック上で同じだからと安いものを選んだ場合と、有名ブランドを選んだ場合とでは、修理コストが大幅に異なります。
以下の修理コスト試算表を参考になさってください。
<修理コスト試算>
Aランク機材 | Bランク機材 | ||
台数 | 20台 | 20台 | |
故障率 | 5% | 20% | |
2年後 | 修理台数 | 1台 | 4台 |
修理費 | ¥30,000 | ¥120,000 | |
4年後 | 修理台数 | 1台 | 4台 |
修理費 | ¥30,000 | ¥120,000 | |
6年後 | 修理台数 | 1台 | 4台 |
修理費 | ¥30,000 | ¥120,000 | |
8年後 | 修理台数 | 1台 | 4台 |
修理費 | ¥30,000 | ¥120,000 | |
10年後 | 修理台数 | 1台 | 4台 |
修理費 | ¥30,000 | ¥120,000 | |
累計 | 修理台数 | 5台 | 20台 |
修理費 | ¥150,000 | ¥600,000 |
※※修理費および故障率はどちらも裏方屋調べによる試算値です。目安としてご覧ください。
機材は時の経過と共に劣化するので、実際には、有名ブランド品、無名ブランド品とも年を重ねるほど故障台数は増えるはずですが、今回はわかりやすくするために単純計算にしてみました。
単純に考えても、修理にかかる費用は約4倍になります。
屋外使用の建築照明は完全防滴の機材である事が大前提のため、故障をすれば当然メーカーでの修理が必須になります。
機材の修理費はどんどん、かさんでいきます。
また、建築照明の取り付け場所は、修理・メンテナンスにイントレやリフトが必要になることがほとんどです。
台数が多い、取り付け位置に間隔があればあるほど、機材自体の修理にかかる費用だけでなく、メンテナンスにかかるオペレーションコストも肥大化します。
さらに、安価な機材を提供するメーカーは、機材ラインアップの入れ替えのスピードが早く、有名メーカーよりも短い間隔ででディスコン(廃盤)にする傾向があり、パーツの入手ができなくなる可能性があります。
施工後のメンテナンスが必須となることを考えても、確実に信用のある、長年パーツ提供をし続けてくれるメーカーをものを選択することが必須となります。
以上の理由により、お値段的にはプラン2が魅力的ではありますが、裏方屋はプラン1の有名ブランドのAランク機材をお使いになることをオススメします。
今回のまとめ
裏方 夢男くんの物語はいかがでしたでしょうか?
お客様の状況に応じた「最適解の考え方」をシミュレーションを交えた記事でお届けしました。
次回の記事では、ムービングライトを購入する際に考慮すべきことの中で「意外と見落としがちな側面」をお届けします。
お楽しみに!!