【裏方の現場から】Nodeのお値段の話
米国ではノードはETCのものをよく見かけます。
卓メーカーがノードを卓とセットで販売するので、ETCの卓が多いところはETC製のノード (でも今は部品不足のため、在庫捕獲不可)AvoだとAvo/ MAだとMAという感じです。
卓メーカーは必ずと言っていいほどノードも販売しています。
ノードやDMX, sACN, Artnet機材を販売しているネットワーク系の販売メーカーは
- ルミネックス
- Doug Fleenor
- Pathway
- Artistic Licence
- DMXking
- Enttec
- ELC
- Kuwatec
- Swisson
- タマテックラボ
とたくさんあります。
ノードはメーカーによって値段の差があるので、どれを買っていいか悩まれてる方が多いということを聞きました。
もちろん高い物を買っておけば安心です。今は使わなくても、将来的に必要になる機能があるかもしれません。
でも、予算は限られているし「高くなると何が違うのか」がわからない。
今回はそんな方のための「現場の声」です。
ノードってなに?
まずは基本を確認から。
ノードというのは、アートネットやsACNを使って照明制御をするための大事な製品です。
では、何がどう重要なのでしょうか。
DMXは皆さんご存知の通り、512chで区切られています。これは16進数から来たものです。
それに対して、アートネットやsACNは本当は区切られていません。
ですが人間が分かりやすくするために便宜的に512chきざみになっています。これをユニバースといいます。
アートネットやsACNによって、例えば6ユニバース(DMX6系統)を1本で送るという事ができてしまうわけですが、信号を受ける器具は、DMXで受ける物が殆どです。
アートネットやsACNで送信された信号を、DMXに変化させなければいけません。
それが出来るのが、ノードです。
お値段の違い=速度の違い
先ほども書いた通り、ネットワーク信号をDMXに変換するのは当たり前です。
ポイントの一つは、信号の送信スピードが違うということです。
一般的に、お値段の高い機材のほうが送信スピードが速いです。
ここで考えなくてはいけないのは、速ければ良いというものではない、という事です。
実際に制御したい器具はそのスピードが必要か?ということが重要です。
普通のLEDパーライトや調光器、ムービングライトは実際そこまでスピードの影響はありません。
しかし、映像の色データーをDMXに変換して扱う、いわゆるピクセルマッピングなどは、スピードと情報量が多いため対応できないノードが出てきます。
POINT:映像系を使うなら、お高いほうが安心
ノードの貸出などをされている方は、お客様に用途をお聞きしてそこをご説明しないと残念なことになりがちなので、特に注意が必要です。
お値段の違い=機能の違い
高級なノードにはできることが満載です。
例えば……
- 特定のユニバース、チャンネルを流さないようにプログラムができる
- 別のDMXを取り込んでユニバース単位でフェードチェンジできる
- 卓の乗り移りが使える
など。
これらの機能を求めるならば、高級機材をお求めになったほうが良いでしょう。
POINT:信号を変換する以上のことを、どこまで求めるか
「そんな機能必要ないよ」「できるだけ安くしたいよ」という方はお値段重視でお選びいただいて大丈夫です。
何度も書きますが「ネットワーク信号をDMXに変換する」というノードが果たすべき機能は、お安い機材でも必ず満たされているからです。
お値段以外の重要チェックポイント
その他に、絶対に押さえておくべきポイントがいくつかあります。
どんなにお値段をおさえたくても、下記の2点はチェックして必要な機能が満たされているものを選びましょう。
POINT:出力のDMXがアイソレーション(絶縁)タイプかどうか?
これは、仮設の屋外現場や屋外常設設備では、落雷事故対策として必須です。
POINT:RDM機能が対応かどうか?
RDMを使う場合には、必ず確認しておきましょう。全てのノードがRDM対応をしているわけではありません。
ちょっと余談ですが…。
RDMはRemote Device Managementの頭文字をとったもので、今まではライトのところでアドレスやモードの振り分けを手動でぽちぽちと設定しないといけなかったものを、既存のライティングコントロールプロトコールのDMXを使って、遠隔地(remote)からデバイス(ライトやDMXの設定が必要なもの)を管理・設定(Management)する機能です。
なので、今まではライトが高いところに吊ってあって、設定変更のために脚立を出したりしてそこに行かなければいかなかったというものをDMXcatのようなRDM設定できる機材を使ってするものです。
ノードの中にはRDM対応していないものもあるので注意が必要です。
デバイス(ライトやDMXの設定が必要なもの)の中にもRDM対応していないものもあります。
DMXの回路を分けるスプリッターにもRDM機能がついていないものもありますので、ノードがRDM対応でも、使えない!ということもあります。
デバイス(ライトやDMXの設定が必要なもの)が5つあって、その中にRDMに対応していないものが1つでもあると、5つがDMXケーブルでリンクされている場合は、RMD機能はそのRDM対応していないものまでは使えるけど、その後にリンクされているものには使えない、使えてもバグが多くなるという問題点も多くあります。
要するに、RDM非対応の照明器具が1つでもある回線にRDM信号を送ると、その回線全体がバグる可能性があります。くれぐれもご注意ください。